木・人・湯の温もりで迎える
第576回よその旅館ホテル
──特徴は。
「昔懐かしき良き昭和の時代にタイムスリップしたかのような小民家風の旅館です。部屋数は7室。木の温もり、人の温もり、湯の温もり、でお客さまをお迎えします。時を忘れて温泉につかって、自分の家に居るように過ごせます」
──随所にこだわりがあるようですね。
「料理は特に自慢です。地産地消をこころがけ、食材には魚は朝とれたばかりの瀬戸内もの、野菜はできるだけ自家栽培のものを使っています。アメニティにも凝っていてタオル類は今治産、浴衣は三代目魚武濱田成夫さんがデザインしたオリジナル、置いている小物は手作りの品でそろえています」
──温泉地の旅館と言えば風呂です。
「大浴場はなく、すべて貸し切り風呂。湯山川のあぶら石を使った岩風呂、松山の市花、椿が描かれたガラスタイル風呂、そして石風呂の3つのタイプがあります。温泉は掛け流し。24時間好きな時に入っていただけます」
──3年前にリニューアルしたわけは。
「施設が老朽化していたからです。以前は21室で、団体や学生もとっていたのですが、今は、高級ではないが、ちょっとリッチな気分でくつろげる宿として、滞在を楽しむ個人のお客さまに限定しています。連泊に対応するため、夕食の提供は連泊中の1日だけ。宴会の客がうろうろすることがないよう、宴会の受注はやめました」
──課題はありますか。
「料理をさらに充実させること。接客については、当初はお客さまのじゃまをしないというコンセプトであまりかかわらなかったのですが、今は、もっと心遣いをしなければと考え直しています」
【1人・1万6425円から】